土曜、日曜と関西は快晴が続き、盛大なお花見日和となりました。私も関西では桜の名所と呼ばれるところへさっそく足を向けてみたのですが、あまりの人混みで、身を寄せる空間もなく、早々の退散となりました。
きびすを返して辿り着いた所は、一度訪れたことのある骨董屋さん。玄関に入ったところで、多分、お店のご主人が買い付けたばかりの品々なのでしょうか、古い茶箱の中に泥をつけたままの姿で、いくつかの陶器がごろん、ごろんと転がされていました。注意深く手に取ると、おやまあ、桃色の花の絵付けが可愛らしく施されているではないですか。春らしい図柄は梅のようです。わあ、このお皿に草餅をのせてもいいかしら、それとも抹茶シフォンケーキが似合うなあ、なんて一人呟きながら、2客求めました。まだ値札も付いていないのに、「これください」ではご主人さんに失礼かしらと一瞬躊躇しましたが、快く応じてくださったことに気を良くしたマツオは、こうなったら早く帰ってこのお皿をきれいに洗って眺めてみたくなったのです。一応、いつの時代のものかだけはお店に確認しておきました。このお皿は、昭和初期のもので、いわば生活雑器。日々、よく使われていたにちがいありません。淵に生じたカケも使いこまれてきた結果、ツルツルになっています。桜の季節に買い求めたこのお皿、スーベニールとしてアメリカに大切に持ち帰りたいと思います。