久しぶりに最後まで観てしまった映画『ドリームガールズ』

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 遅ればせながら、昨夜、自宅で映画『ドリームガールズ』を鑑賞しました。主役はダイアナ・ロスと思しき歌手を演じたビヨンセだそうですが、実際はビヨンセの脇で同シンガー役を演じたジェニファー・ハドソンが圧倒的な存在感と歌声で、主役を凌駕していたのに感嘆! ジェニファーはかつて、全米で人気の高いTV番組『アメリカンアイドル』のコンペティションで、その実力を認められながら、途中で選考レースから外れた苦い経験があります。しかしながら、同役で2007年度のアカデミー助演女優賞を見事受賞したとき、司会のエレン・デジェネレス(コメディアン+司会業)から、「今度、サイモンに(アメリカン・アイドルで審査員を務める英国人プロデューサー。毎回、辛口批評をするため、アメリカではいつの間にやらヒール役に)会ったら、彼に『アカデミー賞をもらったわよ』ってちゃんと言いなさいよ」とコメントを貰っていましたが、ホントにそのとおり! スカウト番組では落選しても実力者はどこかでちゃんと復活できるのね、と映画を見ながら納得した次第です。

 それにしても、気の毒なのは主役のビヨンセ。辛抱役とでもいいましょうか、外見の美しさだけが強調されているような、それでいて、自己を限りなく抑制している人物を演じているのです。もし、プロの役者さんに、主役のディーナか、準主役のエフィーのどちらを演じる? と訊けば、大方はエフィー! と答えるのではないでしょうか。一方のジェニファー・ハドソンが演じたエフィーは不器用な生き方しかできないけれども、どこか観る者にアピールする、そして応援したくなる女性です。ショー最後のシーンは感動的でした。

 
 ミュージカル好きな人も、そして60年代から70年代のモータウン・サウンドやR&Bファンにもたまらない魅力を持つ映画なので、未見の方にはぜひお勧めします。監督は前回、とても静かな映画『愛についてのキンゼイ・レポート』を撮ったビル・コンドン。彼はホラー映画出身のようですが、ミュージカル『シカゴ』の脚本を書いたあたりから脂ののった仕事ぶりが多いに注目されている監督さんです。上映時間約2時間。通常、長いフィルム鑑賞は大体途中で寝てしまうものの、この映画は、久しぶりに寝息を立てることなく最後まで観てしまいました。

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このページは、マツオが2007年5月15日 18:25に書いたブログ記事です。

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