JunkJunk Column

ジャンクジャンク・コラム 2004.04

ヨーロッパでは見るもの全てが素敵でした

 先月約2週間のお休みをいただき、ヨーロッパの旅を楽しんできました。まだ雪が残るツインシティーを後にして、いざ欧州へと飛んだのですが、いやあ、3年ぶりのヨーロッパは以前にも増して魅力的で、グルメに蚤の市巡り、そしてお目当ての観光と目一杯動きました。最初に到着したのはフランスの友人宅。リヨンから電車で2時間ほどかけて内陸部に入ったところです。16世紀の佇まいをそのまま残すLe Puyの街に友人たちは住んでいるのですが、久しぶりの再会した彼女たちと積もりにつもった四方山話に花を咲かせた2泊3日後、私とカレンはユーレイルパスを利用して一路、バルセロナへと向かいました。

 出発の日、朝食のテーブル上で「昨日、スペインの現政権が選挙に破れたわよ」と声を弾ませながら報告してくれたのは親友の一人、マルチンです。米国を発つ前からマドリッドのテロ事件を案じていただけにスペインの現政府が入れ替わると同時にイラクからの軍撤退を決めたというニュースは、若干、旅人の胸を撫で下ろすものではありました。

 さて、バルセロナへ到着してみると街は案の定、しばしショック状態から抜けきれていないような面持ちです。街のあちこちで喪を表す黒いリボンが飾られていたのもそうですが、人々の目もどこか深い悲しみが漂っているようでスペイン特有の明るさはありません。現在、中東で起こっている戦渦(イラクはもとより、パレスチナも同様に)は確実に世界に波紋と動揺を投げ掛けていると肌で感じたのもこのパルセロナでの経験でした。

 話は一転して。バルセロナといえば、アントニオ・ガウディ。天才・奇才の建築家ガウディ・ツアーを着いた翌日から始めました。下の写真/下段はガウディがプランニングしたというグエル公園の中の、かつてガウディが住んでいた邸宅です。建物自体は彼自身の設計ではないようですが、家具や調度などにガウディの作品が何点も。これらを直接に目にするにつけ、やはり彼は天才であったと唸らずにはおれません。彼の創造の源はカタロニア地方の自然にあると言われています。いったいガウディはこれらの作品群にどのようなメッセージを託しているのでしょうか、そんなことをあれこれと考えながら巨匠の世界にどっぷり浸ったのでした。

↑ 左側の写真は友人が住むLe Puyの街。友人宅を出たところの眺めで頭上には12世紀頃に建てられた小さな聖堂が。この街のランド・マークです。右手2点の写真はバルセロナにあるガウディが設計したLa Pedrera。1910年に完成したバルセロナ市内に建つアパートです。

↓グエル公園内にあるCasa-Museu Gaudi内部のインテリア。ここにガウディは約20年間住んだといわれています。

 天井から下がる照明、椅子、テーブル、鏡、全てのものの意匠がガウディ独自の審美眼で選ばれたもの、あるいは独自のデザイン性を伺わせるもので、その独特のフォルムと色彩には、ため息の連続でした。

↓ La Pedrera。1910年に完成したバルセロナ市内に建つアパートです。建物の中のワンフロアが当時の住人の居住空間を再現し、見学可能となっています。最初にサロンを通って次にゲストルーム、ダイニングルーム、お父さんの書斎の次はバスルーム、そしてキッチン。さらに奥へ進むと住み込みのお手伝いさんの部屋、それに子ども部屋へと続きます。お手伝いさんが詰めていたであろうリネン室では、置いてあるものの全てがあまりも可愛くて、目を見張りました(特に最下段真ん中の写真)。

 

 

↑ 左手の写真は子ども部屋に飾られていた大きいドールハウス。真ん中の写真はリネン室の中のしつらえ。左手の写真。アパートの廊下を飾る椅子とポスター。ポスターも色彩のバランスを考慮しながら、こうやって一堂に並べるとさらにい〜い感じになるのですね、ホントに、勉強になりました。

 というわけで、ヨーロッパでは様々なことを感じ、学び、実に刺激を受けた旅でした。刺激を受けた延長線上にはもちろん、アンティークマーケットでの買い付けもあります。とはいっても特別に「買い付けるぞ〜!」と計画していた旅ではありません。ぶらりぶらりと出かけた先でふと目に着いた素敵なモノを気ままに選んだまでなのですが、私マツオが、“わあ、これは素敵!”とお持ち帰りした心情を分かち合っていただければとても嬉しいです。これから更新のたびにアメリカのコレクティブルやアンティークと一緒にヨーロッパのアンティークをご紹介していきますので、お時間の合間合間にお立ち寄りいただければ幸せです。

 まず今回のヨーロッパのアンティークご紹介は下記の写真から。フランスはプロバンス地方で見つけたコート・フックです。詳細はカタログページにて。それではどうぞ、ご覧ください。 
http://www.junkjunk.com/

ジャン ジャンクドットコム・メ−ル

Past Columns - 過去コラム

2003.05 - Introduction

2003.06 - My Antiques

2003.12 - Our wood work

2004.01 - Antique shops in Minnesota

2004.02 - Freezing winter of Minnesota 

2004.03-The treasure hunting season is coming

 

BACK TO TOP